レバー駆動車椅子春になりました(><)

2010年04月24日

釣り、山歩き、レバー式

久々の投稿で、久々の力作。長いよ(^^;)

釣りに行き易いようにと始めたハンドバイク。
そして今年は山歩きをしてみようと考えていたのは1月前。

前輪ユニットもMTBリムのブロックタイヤも手に入れ、手袋もちょうど良い物を見つけた。
これで後は暖かくなるのを待って、出掛けるのみ。

なんて考えていた春先、とあるFMラジオリスナーたちの集まりで河原の土手に花見をしに行った。
久しぶりにハンドバイク以外の形でのアウトドア。

しかし・・・、なんか、やられた気がした。いや、挫折にも似た不満足感。

河原の上を止まることはないものの、あまりにもヨチヨチに進むのである。惰性がない。
惰性が効かないから土手も上れない。
確かに、通常の形状でキャスターであれば進むことも満足にいかないだろう。
でもなんなんだ、ほんの向こうの橋が果てし無く見えてしまう。

帰宅後考えた。
不足している物を補うためにできることは何か?
力不足。確か似そうだけど、この冬は鍛えては風邪をひきの繰り返しで、ホドホドあきらめが入っていた。

じゃぁ力不足を補うものは?
先ず結論づけたのはYAMAHAのJW-II。
http://www.yamaha-motor.jp/wheelchair/unit/jw2/spec/index.html
XOグループのREVでも商品として扱っているし、LOMOと組み合わせはまだ誰もやってないから、やってみる価値はある。
問題は、価格・バッテリーの重量と容量・特別なプレートをシャフト部に付ける改造・後継機の発売期。
と、いろいろと課題もあるので先ずは試乗をしてみようと、取扱店を探していた・・・。

簡単に電動アシストに結論を求めてしまう自分に不甲斐なさを感じ、力不足をもう一度考えてみた。

先ず思ったのが、ハンドバイクのようにギアがあれば良いのではないか。自分のハンドバイクで使っているマウンテンドライブのような、タイヤとハンドリムの内装ギアなんてあったら良いのに。と考えて、はて、海外でも同じことを考えている人は居ないのかと、Youtubeを探してみたら・・・あった!



ホームページを探し、価格を確認すると・・・$50,000- なんとな!
これだけであきらめた。

次に、もっと単純に構造の工夫だけで変化できないか考えた。
例えば車椅子マラソン用のホイール。タイヤを大きくハンドリムを小さくして、いわばギア比を上げている訳だけれど、その逆ができない。タイヤよりもハンドリムを大きくしてもハンドリムが路面をとらえるだけで、結局タイヤが大きくなんるだけ。

ならば、自転車のようにクランクとハブのように動力の入力と出力を分けて、どこにギア比を付けられないかと考えた。またも探すはYoutube。むむ、なんか前に見たことあるぞ、と探して、あった。


RENEGADE
http://www.renegadewheelchairs.com/index.php

一番初めにこのビデオを見た時は、雪の積もる地方独特の変わりダネ車椅子なだけだと思っていた。

また、レバーで駆動させると言えば前に見たページでラオスの障害者支援としてあった写真を思い浮かべ、”レバー = 発展途上”という勝手な固定観念を持っていた。
(「難民を助ける会、ラオス人による車イス工房を目指して」http://www.aarjapan.gr.jp/lib/act/act0906-2laos.html)

あらためて、Youtubeを検索し続けた。すると、結構いろいろなタイプがあることがわかった。
ここで、それぞれの特徴を考えてみる。

Moutain Trike

http://www.mountaintrike.co.uk/

現在の一般的な車イス形状の前後を入れ替え、走破性を上げている。
ブレーキはレバー式でディスクブレーキを装備。
レバーとハブをチェーンで結合。変速ギアやバックギアはないと思われる。
リアキャスターにはサスペンションを入れて、まさにオフロード向きな一台。
急ブレーキによる前方への加重変化には予備タイヤで転倒を防止している。
ハンドリムはなく、折りたたみはできない。

Willgo

http://www.willgowheelchairs.com/index.html

ディスクブレーキを備え、レバーの可動域とホイールの駆動を分けて(たぶん)チェーンでつないでいる。
ホイールがクイックリリースではあるが、ハブに付けられた赤いレバーでロックできるハブを採用することにより、レバーで駆動する時はハブに固定、ハンドリムで動く時はそのロックを解除して切り替える方式をとっている。
ギア比、バックギアについては未調査のため不明。

Nordigo wheelchair propulsion system

http://www.nordigo.ie/

ディスクブレーキを備え、レバーとハブをチェーンでつないでいるが、自転車のような一円のそれではなく、レバーの可動域だけにチェーンがかかっている、何ともとも言葉では表現しずらい構造。
そのため、これらの中では唯一、レバーを上げるときにトルクがかかる構造。
変速、バックギアはないと思われる。どちらかと言えば加速重視。

Wijit

2年ほど前、日本でもいくつかの代理店が存在していた模様。
本社へ問い合わせしてみたところ、同様の答えが返ってきた。気になるのが、その文中に健康保険で医師の判断があれば日本でも補助が受けられるとあったが、どこに問い合わせれば良いのかわからずじまい。
ブレーキは内蔵のシューによりドラムブレーキのような制動をする模様。
レバーの親指に当たる部分にシフトレバーがあり、ドライブ・ニュートラル・バックの切り替えができる。
まだ残っている日本語ページ(もはや指をくわえて見ることしかできない)によると、内装ギアの入れ替えで高速化と低速化ができるとのこと。
デザインはぴか一。価格もぴか一。

NuDrive

http://www.nu-drive.com/nudrive/

ブレーキは内蔵のシューがあり、レバーを内側に絞り込むことによりドラムブレーキのような制動をする構造。
レバー自体を広げたり狭めたりする動作により、ドライブ・ニュートラルの切り替えができる。
これらの中では唯一、スポークによるホイールの作成の必要はなく、アタッチメントを押し付ける構造で一般的なホイールに取り付けることができる。
ギアやチェーンの構造はなく、てこの原理によりホイールを回すだけ。売りとしてはそのレバーを持つ一によりトルクが変わるとしている。
オプションとして短いレバーのスポーツ用がある。


と、以上の結果、価格、Paypalが使える、ホイールの工作が不要、などの理由により最後のNuDriveを注文するに至った。

それと、レバー式が有効だと思うその理屈を表した図。
仮に手でタイヤを押すことを1:1と考えるならば、それよりも比率を変えられることになるはず。
スライド1


最後に、レーバー式車椅子に関する研究も日本国内で行われているようで、そのリンクを勝手に張り付け。
でもさ、身体的効果もあるけどさ、第一には”乗りたい衝動”が重要だと思う。そのためにはデザインがあり、乗り回せる環境があってこそだと感じた。

「レバー駆動式車いすに関する研究」
www.iri-tokyo.jp/research/present/18/pdf/5-8.pdf
「J-GLOBAL - レバー式車椅子操作時の心理的負担の分析 【文献】」
jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200902254487228765
「レバー駆動式車椅子に関する研究」
www.kanagawa-iri.go.jp/kitri/kouhou/kenkyu_houkoku/.../05hokoku.pdf

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この記事へのコメント

1. Posted by 徹人tetsuzin   2010年10月26日 18:51
ここのところ問い合わせの多い、NuDriveの動画のリンクが切れてましたね。
入れ直しました、どうぞご鑑賞あれ。

繰り返すようですが、日本の道路事情では2cmの段差を走破する必要があります。
なので、これを使うためには転倒防止バーを付けるか、前輪ユニットのいずれかを装着した方が良いです。
というか、断然楽しいです。最初は恥ずかしいけど。(^^;)

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