新型電動と連休と私3

2013年05月12日

だって、自転車しかないじゃない

image


雨な一日、都合良く届いた本をじっくり読んでた。

雑誌をぺらぺらめくっているより、これはという一冊を読み通す達成感が、何か自転車にも似た感覚に思えて心地よかった。

第2章の結びの一言、「今の子どもを戸外に連れ出し、”移動”という本来的なワクワク感を手にさせる方法はないかと思うのだ。」に激しく同意すると共に、もしかしたら、電動がそのカギになるだろうと個人的には感じている。

子どもの憧れなるか?その問いに逆説として「子どもの手に入らない存在」がある。自動車がそうだ。
それと同じで電動が子どもの手に入らなければ、そっして大人がそれを楽しんでいるのであれば。
そう、それがヨーロッパの今の市場であり、今後の主流になるのだろうと思う。


もう一つだけ、とても気になった項目が有る。第6章「自転車用語を覚えよう」ー「コースターブレーキ」(p288)の項である。

本書を通して考えていくと、「自転車政策・欧州の取り組み」(p34)でドイツ・オランダの取り組みを取り上げていることの結論としては”クルマをできるかぎり減らすことこそが眼目であり”(p40)とあるが、そこに行き着かない日本としての対比を見るに、この「コースターブレーキ」の項での「正直、日本のものの方がいいなと思った。」の結びに疑問が残った。

逆回転できないことを欠点として表現していることは何も間違っていない。ただ、そこには本人も危惧されている「中高年ファン」(p112)の視点のみでマスクされていると感じた。要は、五体満足で成熟した大人、という視点であると考えてしまう。

ではそに「中高年ファン」の外側にはどのような人がいるのだろうか?
まずは言わずと知れたママチャリを日常とする”ママ”と、それをお下がりとした塾通いの”小学生”、その延長の”中高学生”の各世代がいて、さらにその外側には、育児も終わり人生も成熟された熟老年齢世代と、ペダル付きにまだ乗れない幼年世代がいる。

疑問に思うことは、この各世代が同じ判断基準で考えることが果たして妥当なのだろうか?ということ。
結論は、安全であること。ただし問題は、安全=安心ではないこと。

ここで考え方を変えて、なぜヨーロッパはコースターブレーキが多く、日本には殆どコースターブレーキが無いのか。シュトリッカー社のハンドバイクを初めて乗った時、そのハブがシマノであり、そしてそこにコースターブレーキがついていることに驚いたものである。

そこで、世界ネットワークを誇るシマノの製品から、一つその指標として内装3段ギアハブを見てみると、
オーストラリア
http://www.shimano.com.au/publish/content/global_cycle/en/au/index/products/comfort_bike/nexus_inter-3.html
ヨーロッパ
http://cycle.shimano-eu.com/publish/content/global_cycle/en/nl/index/components/city___comfort_bike/nexus_inter-3.html
ラテンアメリカ
http://bike.shimano.com.br/publish/content/global_cycle/pt/br/index/products/city___comfort_bike/nexus_inter-3.html
北アメリカ
http://bike.shimano.com/publish/content/global_cycle/en/us/index/products/0/nexus/product.-code-SG-3C41-INTER-3.-type-..html
東南アジア
http://bike.shimano.com.sg/publish/content/global_cycle/en/sg/index/products/city___comfort_bike/nexus_inter-3.html
この様な国々である。
どうだろう、本社が日本であるのにもかかわらず、日本との差を考えるとこの間には何が有るのだろうか?

もう一度、なぜハンドバイクにコースターブレーキが採用されているかの意味を考えると、レバーを握ることができない四肢麻痺の場合でも、クランクを動かし走行可能な腕の運動さえできればブレーキをかけられるのである。

これを健常者に変換すれば、体力の低い少年期と、衰えてしまった老年期と、その少し前のリュウマチなどで痛みが出だす高年期において、上記のハンドバイクと同じ理屈でコースターブレーキの方が体重をブレーキ力に変換できるためより安全である、ということができる。

とかくレバーでのブレーキにこだわっている日本の道路は、はたしてヒトニヤサシイのだろうか。

もしかしたら、コースターブレーキこそ「中高年ファン」以外の人を惹き付ける呼び水になり得るのかも知れない、と、いちコースターブレーキファンは思うのである。

tetchin01 at 10:09│Comments(0)TrackBack(0)日記 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
新型電動と連休と私3