3輪車の科学

2013年12月06日

安全性(再掲)

(先日の編集の操作ミスで書き直しです)

東京都民ではないのですが、たぶん走った全長は一番長いのだろう(当人比)と思いますので、あえて取り上げてみようと思う。
(ちなみに生まれてハタチまでは東京都下民ではありましたが。)


ーー「東京都自転車安全利用推進計画(案)」への御意見を募集します!ーー
(リンクを掲載するにはルールがあるようなので未掲載、気になる方は検索してください)
として今月13日までパブコメを募集している。

ーーーーー
東京都自転車安全利用推進計画(案)
<中略>
第5 実施事項
<中略>
5 安全性の高い自転車の普及
<中略>
(2) 安全性の高い自転車の普及
ア 安定性の高い自転車の開発・普及 (ア) 安定性の高い自転車の開発
自転車製造業者は、幼児二人同乗用自転車、高齢者向けの三輪自転車等の自転車利用者の利用形態、特性等に配慮したより安定性が高く、転倒しにくい自転車を開発します。
(イ) 安定性の高い自転車の普及 自転車小売業者は、自転車利用者の特性、自転車の利用形態等に配慮し、適切な自転車を紹介するなど、自転車利用者がより安全に自転車を利用できるようにします。
<p15>
ーーーーー
(以上抜粋。なお、<>については筆者脚注)

「高齢者向け」との記述があるものの、そこも含めて「三輪自転車等の自転車利用者の利用形態、特性等に配慮したより安定性が高く、転倒しにくい自転車を開発します。」について疑問が頭をよぎる。

転倒しにくい、とは果たして製造業者だけで解決できる問題だろうか、ということ。



>歩行補助車があるじゃないか<

比較として、自転車と対照的存在としての「歩行補助車」シニアカー(ハンドル型電動車いす)を考えてみるとわかりやすいと思う。

  なぜ、時速6kmの乗り物が歩道上で事故を起こしたのか。
  なぜ、4輪へとシフトしていったのか。

3輪を安定の良いものにするには車幅を広げることだろうが、「普通自転車」は横幅60cmである。
そして、仮に4輪であって電動(アシスト)を使う。もはやこれは電動車いすとほぼ同じであろう。
となれば、到達点はもはや自転車ではなくなるのではないか、そのように思えてしまうのである。

その3輪4輪シニアカーについて、少し古いものの経済産業省のこの安全性調査報告書が面白い。

電動車いすの安全対策について
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g80626a03j.pdf


3輪と4輪の間には、自転車か自動車か、という比較と同様に対称的な関係があるものと考える。

歩行補助車の時速6kmの制限速度と、電動アシストの補助上限時速25km。そして徐行としての時速7km。

すると、止まって安定する3輪よりも、走って安定する2輪が歩道を占拠する現実の要因が見えてくる。
ママチャリを代表とする普通自転車としての2輪車が歩道をカッポしていることを考え例えるならば、歩道上は悪路と同じである、ということができるのではないか。

「歩くことの代わり」の本質はどこにあるのだろうか。



>遊園地的指向<


最近思うこと。

安全は相手に向かって思う気持ち。
  安心は自分に向かってもう気持ち。

安全と安心の使い方のバランスとしてこう考えると、自己満足としてスッキリする。


車道通行のやり取りの中でよく目にする「恐怖心」。
その対義語としての「安心」を先に考えた場合、安全であることよりも安心を感じられる場所とはどこかと考えると、そこは「遊園地」であるだろう。

機械は「絶対に安全」でなくてはならず、運行も「絶対に安全」であり、安心を保証されていなくてはならない。
そのためには、「特別な場所」で「特別な機械」で「特別な時間」を過ごすこととなる。

改めて考える、日常の交通とは「特別」になればそれは幸せだろうが、反面、多様性としての「快適さ」が損なわれる結果となり得る。その象徴が”ガードレール”だろうと考える。

あくまで、安全と安心、その優先順位のバランスが重要だろう。




>歩道の主役<

するとどうだろう、いっそいわゆる「歩行補助車」を自転車の機構を利用し確立し、歩行者の空間を充実させることで高齢化にも耐える交通ができないだろうか。

あえて、歩行の代わりを「歩道の主役」と据えてしまうのである。

しかし待て、歩行の代わりとは「車いす」そのものではないか。

ならば、歩道で使う自転車とは「車いすの代わり」ではないのか。
ならば、本来、歩道上の自転車マークは車いすマークであっても良いのではないか。
ならば、そこは歩行補助車が走る場所なのではないか。
(もっとも、法規の順序を無視した考え方ではあるが。)

ならば、歩行補助車の事故の問題は機体そのものよりも、道路の構造と推奨されるルートの設定で防ぐことができるのではないか。点字ブロックと共有することもできるのかもしれない。

人に優しい道とは、歩行補助車が問題なく通れる道。

歩道が車いすマークでつながる社会。うるさい程のその景色がオリンピックまでに完成したら、それも一つのブランドになり得る。

交通弱者が社会を支える。
このような考え方が成り立っても良いのではないか。

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2013年10月30日

シンボルマークと駐輪禁止除外

先日参加した大討論会の議題でもある、提言の中にこのような項目がある。

10)国は、都道府県単位で「防犯のため」に限定されてきた登録制度を発展的に見直し、自転車駐車の適切な管理や整備にも利用可能な全国規模の「自転車登録制度」の創設を検討すること。

というものだ。いわゆる駐輪である。


「駐輪場のバリア」

都市部において、狭い土地に多くの台数を駐輪させるための工夫として、地下、2階以上の建物にすることがあり、その入り口からの移動手段については重量のある自転車本体を運ぶ目的のため、階段が設置されることが多い。

また、現在に於いても平地からの接続ができる場所においては「身体障がい者用」として一角を設けられている場所も点在する一方、上段のような駐輪場に対しバリアフリーとして、全ての建物に移動のためのスロープやエレベーター、駐輪スペースとしての場所を求めても、その可能性は低い。

一方、乗用車については多くの地域に「駐車禁止除外」の制度があり、手続きをすることによりステッカーと呼ばれれるパウチのシートを付与される。

自転車活用を拡大するにあたり、主張としてハンドバイクを含む3輪の自転車やタンデムなど「普通自転車」に含まれない自転車までも駐輪場への誘導を義務づけられた場合にはたしてそれを受け入れられるだろうか?


「シンボルマーク」

もう一つの問題として、障がい者手帳を持つ者の歩道の通行による転倒事故の危険性と同時に、車道走行の危険性があると考える。
これは特に3輪の自転車が、波打ち歩道と呼ばれる横勾配に影響されて転倒する恐れがあることや、階段や段差に行く手を阻まれる事により車道へと移動する場合の自動車とのアツレキがある。

これについても、乗用車では初心者マークやシンボルマークのある自動車の保護義務がある。


「シンボルマークと駐輪禁止の除外」

例えば、ハンドバイクで街中に出る場合、歩道通行は認められている(とても微妙な話で、なし崩し的に普通自転と同一にみなされると仮定して)ものの転倒の危険を回避するため、もっとも走行の快適性を確保するために車道を走行し、また、買い物や食事やトイレなど一時的に駐輪をする必要があるとする。

この場合の権利として、シンボルマークのある車両としての保護の権利と、必要に応じ駐輪するこができる権利、があると考えられる。

乗用車と同等にこの権利を求めた場合、その仕組みがないことに気がつき、そのモデルを仮想してみた。


概略としては下図となる。
マークと駐輪除外



「シンボルマーク」

まずはシンボルマークについて。

○要件としては「身体障がい者手帳所持者」であること。
(精神保健手帳や療育手帳など知的障害についてはどう考えるべきか、申し訳ないが良い知識がないのでここでは棚上げする。)
ー>これにより、医学的見地からの客観性をもって必要の判断を確保する。

○手続き先は市区町村の役所の窓口での申請を要する。
ー>これにより、住人本人の申請であり、サービスを提供する場所の確保をする。

○申請を受け付けた市区町村は、申請により情報を管理する。
ー>例えば、要支援者のリストなどと平行して考えることができ、どのようなニーズが有るかの材料にもなる。

○利用者に対して肢体、聴覚、視覚のシンボルマークを交付する。
ー>形状はステッカー、プレートなどが考えられるが、サドル下に付けられるリフレクターを兼ねたもの有効だと考えられる。また、盗難予防のための工夫も必要であり、ハンドバイクなどのサドルがない車両へも対応する必要があり、ワイヤーを通すためCDのような穴のある円盤なども想定される。
その他、高齢者や幼児への利用の拡大も考えられる。

○デザインとして、肢体不自由者には車いすマークのシンボルマーク又はクローバーのシンボルマークが考えられるが、現在でも身体障がい者全体を表現している場合もあり、独自のマークが必要になると思われる。
(例えば私の使うハンドバイクのシンボルマークなど。handbike_logo



「駐輪禁止の除外」

次に駐輪禁止の除外について。

○要件は上記シンボルマーク登録者で、3輪、ハンドバイク、タンデムバイクの利用者とする。
ー>手帳の等級での判断ではばらつきが出る事と、階段や駐輪機会の使用ができないことをもって除外とするため、車種による判定とする。

○車種の判定は、型式認定、販売証明、写真判定など、実態に合わせて判断できるようにする。
ー>型式認定は機種の断定を狭めてしまい利用価値が下がってしまう。また、上記三種の判定だけなので、情報の管理者、取り締まり者とも判定は容易であるため写真判定だけであっても可能だと考える。

○申請は所轄警察署で自動車の駐車禁止除外と同様にさらに簡潔に受け付け、その情報を管理する。
ー>盗難情報や事故、さらに徘徊などの行方不明へも対応可能と考える。

○利用者に対して上記のシンボルマークに追加できる形状のステッカーなどを交付する。
ー>防犯シールとの共有も考えられる。


以下、利点と問題点を思いつくまま箇条書きする。


「利用による利点」

○駐輪料金の免除:車両について駐輪料金を免除するための要件とすることができる。
○構造の除外:特殊な形状から由来する、普通自転車との構造の違いを免除することができる。
○利用者の管理:事故により被害者、加害者となった場合の身元の確認ができる。
○サイクルマイレージ:登録制により走行距離を申告させ、表彰などをする。
○駐輪優先場所への誘導:建物管理者が特別に確保しているような駐輪スペースへ誘導できるような仕組み。
○協力店への修理の依頼:例えばパンクの料金を免除したり、対応の順番を優先するなど。
○レッカーの協力:故障などで移動できなった場合のレッカーやタクシーなどの協力体制の構築。


「問題点」

○利用者の生死や車両の存在など、現況とどう照らし合わせるか。
○制度に対する予算、利用者の負担について、税金、登録料などどのように捻出するか。
○シンボルマーク、駐輪除外ステッカーの紛失、盗難への対応。
○新たな車両への対応(シニアカーやセグウエイのようなもの)
○駐輪除外の非適用場所の周知。消火栓や交差点内、点字上など。

○また上記、図解にある「三者利用」については、積極的な利用と消極的な利用について検討する必要がある。


「まとめ」

以上、3輪自転車、ハンドバイク(アダプタ、レース用)、タンデム自転車を活用するための方法を勝手ながら描いた。

なぜこのような提案が必要なのかと言えば、これを行うのはどの単位が妥当かということである。
市区町村、都道府県、国。

カギはシンボルマークで、これは全国共通なものが必要である。
それと同時に乗用車と同じ権利が必要であり、まさに自転車は車両の一部、を目指す必要がある。
となれば、国が一番妥当だと考えるのである。

他にも各論として取り上げなければならにことがあると思うが、提案としてはここまでで終了としたい。

tetchin01 at 21:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年03月06日

価値観

以前、プレゼンテーションをできる機会をもらえ、この様なスライドを作った。

高齢者障がい者自転者


当時は必死な想いで作ったのだが、今見ると・・・どうなのだろうか。(^^;
(結局、言いたかったことが山盛りで、大幅に時間オーバー。ご迷惑をおかけした。)

えーっと、再現してみよう。


ーーーーー
テーマ「ハンドバイクが人生を変える」


結論としては、人は3輪にはじまり3輪に終わる、ということ。
そして、その始まりと終わりの間にハンドバイクが存在し得る期間がある、ということ。
ならば、3輪を利用することにもっと取り組んでいいはずである、ということ。

(1)健常者として人生を終えるのであれば、3輪車ー2輪車ー3輪車とスライドの放物線内は塗りつぶすように表現できる。
高齢者障がい者自転者2


(2)しかし、もし障がいがあり、自転車のない人生だとすると、放物線内は空白だけになる。
また、あえてタイヤが付いていることをその種類に含めると、車いすや歩行補助車も含まれ、放物線の下の方に台形に塗りつぶすように表現できる。
高齢者障がい者自転者4


(3)そして、3輪車が活用できるのであれば、その人生観は変わるはず。
高齢者障がい者自転者3


(4)さらに、序章のようにハンドバイクがあれば、さらに違う人生観になる。
高齢者障がい者自転者


ということで、人生に於いて3輪があることの有用性、ならびにハンドバイクがあることの有用性を図解として表現したものがこれである。

次に、ではなぜ3輪が有用とみなされないか。
これは、その車種が一人の生活にどれだけの期間使われるのか。および、その期間に対する費用、習得技術、得られる快適性の総合による価値観がどれだけ大きいのかでその評価がされるものと考えられる。

具体的にその車種とは、年少期についてはいわゆる幼児用の3輪車、子載せ自転車である。高齢期についてはシニアカー、歩行補助車である。
さて、これらがどれだけの期間使われるのだろうか?子供が大きなるまで、また、体が衰え寝たきりになるまで。
5年いや、幼少期高齢期と合わせて見積もって10年といったところだろうか。

それにひきかえ、3輪自転車及びハンドバイクはどうであろうか。
障がいや加齢による3輪の活用として考えれば、2輪が使えない期間として継続して利用されていると考えられ、次の脊髄損傷の例えと同じ期間と考えることができる。

そして、交通事故などによる脊髄損傷を例にとると、例えば20歳に事故に遭い受症した場合で70歳に寝たきりになると考える。(脊髄損傷は総じて寿命が短いらしい)

すると、その間50年。
10年と50年その差5倍と仮定すれば、価値観の差が大きいことはすぐにわかる。

ちなみに、先程このブログの先頭を見てみると、2005年の1月であった。
(8年かぁ。まだまだだなぁ。)

なぜ3輪を活用しないのか。その考えの乏しさに残念になる。

少子化対策にもなり得るし、高齢者対策にもなり得、障がい者対策にもなる。
今言われている全てが入っているようにしか思えない。というのが勝手な意見。

さて、先日からお伝え続けている事故について関連づけて考えてみると、整理する点は
○歩道走行
○車道との逆方向の通行
という要因が考えられる。

上記の要因が「無理やり通行している」ことを意味するのであれば、なぜその必要があったのかを考慮しなくはいけないのではないか。

この「無理やり通行している」その感覚の原因に、上記したようなその期間が短い「どうせ今のうちだけ」という先入観と固定概念が無意識に掛かっているのではないか。ということ。

反面、ハンドバイクユーザーを筆頭に3輪自転車利用者からの視点であれば、これからの人生でどのように利用してくかを考えていることとなり、その場限りでの妥協では満足できないこととなる。

そのユーザーたる自分の考える想いとしては、どれだけ走ることができる場所があるのか、半ばあきらめにいた感覚にすらなる場合もある。これではマイナスのスパイラルに陥ってしまう。

子載せのように必要にかられて、半ば”おとがめなし”でもなく、高齢化のように衰えるまで待つ身でもない。
マッチョになるため鍛え抜くことができ、移動そのものが楽しくリフレッシュができ、自家用車を利用しなくても用事が済むことでストレスを感じなくて済む。

ハンドバイクの使い道は人生を成長させるためにあるのであり、道路環境の悪さを感じて体力や身体機能の差から劣等感を感じるためのものではない。

ならば、健常者が2輪車を使うことの根底として、3輪の車両があり、その中にハンドバイクがあるという世界観は、必ずや自転車を使うことたいして幸福度を高めるという副産物が生まれる。

では、主産物とは何だろうか?
本人の満足感、幸福感ではないか、そのように考える。

tetchin01 at 21:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年03月01日

提言/つづき

とりあえず、できた。
明日読み直して送ろう。^^)b

結果、この内容だと残念ながら自転車専用通行帯だけの、部分的にしか賛同できない。
お叱りを受けることを承知でむしろ、今のままの方がいいような気さえしてしまう。

もっと利用者からのボトムアップが必要だと感じるが、上記とは逆に難ありと思うことも行ってみて初めてその手法が明らかになり、意見交換が活発になるという見方もできる。

それじゃあまりにも幼く、寂しいが・・・。続きを読む

tetchin01 at 23:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年02月08日

根拠

いままでサンザン人様に対して、ハンドバイクを歩道で乗るなら10km/hが基本。と言っていた。
正直、経験を信条にしてカタクナに言っていただけなのだけど、やっとそれを後押しできる報告があった。いや、知らなかっただけ。^^ゞ
(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20070405_1g.pdf

歩行補助車として電動3輪がであれば、ハンドバイクは手動の歩行補助車と言ってしまう。
さらにそれを車いす補助車とも言ってしまう。

上のテストの結果は下り坂のことを言っているのだけど、結局は全体を通してその基準が当てはまると考える。

2輪車でも歩道上の徐行は7kmなのだそうだ。(が、だれも計ることは無い速度。先日のニュースで警察の方が20kmを基準に、なんて記事も見たけど・・・。)

ならばハンドバイクを含めた3輪がお手本を示せば良い。
いまだ明確な方が無いからこそ、すべてをひっくるめて(例えば「歩行者としての取付型ハンドバイク」として)歩道上を通るべき車両の主役になればいい。

すると、車道上にバイクレーンが整備され始めたとしても、既存の横断歩道上の横断帯すら活用することができる。
ゆえに歩道上のバイクレーンは3輪が安全安心に通行できることが条件に成りえ、それによりやっと広い歩道の活用も有益になる。

と、目を閉じて想像する。

めでたし、めでたし。

tetchin01 at 21:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年02月04日

3輪のキモチ

昨日、出掛けていた帰り道、ミニハンドバイク(12インチをこう呼ぶことにした)のドライブベルトを外した輪行状態で渋谷駅構内の長いスロープ(と言うより坂道)を下るつもりが・・・制御できなくなって暴走してこけた。T-T

いや、普通にハンドリング持っていれば良いのにブレーキレバー握っていたからだろう。
え?レバー握っていたのにねぇ。いやいや、もちろんまだ帰路で飲酒もしてないし。
でも、なんで何もできなくなったのか、なぜかわからない。
ホント、人に当たらなくて良かった。



気を取り直して、その先日でかけた先はこちら> 元気になる自転車を求めて
高齢者、障がい者向け自転車の試乗会でした。

本来、宣伝をすべきだったのだろうけど、恥ずかしさも相まっていまい・・・。
えー、私、今回は縁がありその委員を務めさせていただいております。(^^ゞ
自活研のKさんや、リエチ先生ことKさん(伏せ字の意味が無いか^^;)と同じ目線でお話しているだなんて、申し訳ないくらいです。
が、そこはそこ。これからの普段着のハンドバイクを主張してます。

で、委員会の実地検証ということで、試乗会が開催された訳ですが、今回のイベントは高齢の方の参加が多かったですね。後から知りましたが、新聞にも記事が出ていたとか。
それも珍しいものを見に来たのではなく、自分が使えるものを探している目をしているのが印象的でした。

残念ながら変わり種としては、テレウスさんからお借りしたNJ1と、自分のミニハンドバイクが一番の異種となり、上のリンクからもわかる通り、そのほとんどが道交法に合致した堅実な車体!?でした。

それでも、皆さん3輪になら乗れると直感したようで、室内会場でしたが活気にあふれた雰囲気でした。

その委員会(主催者のみ非公開)でも意見交換をしましたが、むむむ。ちゃんと伝えきれたのかなと。
その内容は今後の発表にお任せます。

この試乗会もできれば本当の路面でできれば良いのだけど、寒さや雨の悪天候を避けられるようにと、室内での試乗会なのだと聞きました。





そして、一晩経ってまた色々なことを考えてしまった。

どうしても一つどうしても拭い取れない不安。
ここではうまく乗れるけど、道路に出たら事故を起こしてしまうのではないか?
そして結局「キケン」というレッテルが貼られてしまうのではないかということ。

試乗会で用意されたのは前1輪+後2輪の3輪の形状だけであり、これはハンドバイクと同じ。
ということは、コケる危険の可能性も同じ。

自転車に限らず、車両に乗るために必要なこととは何か?
●走り出し
●曲がり
●止まる
これがすべて実感できたかが重要だと思う。

そのうちの走り出しに関しては、乗れるのかどうかを考える上ですべての人が実感して、良いか悪いかを会場の人も考え判断していた。

でも、残る二つに関しては、実感までには届いていなかったのでないか、と。
曲がることに関しては、まさに前に書いたこれなどがそっくりあてはまる > 3輪車の科学・1<転倒>

あわせて、歩道は平坦であるという”間違った”先入観を否定しなくてはならない。
これは2輪では感じる事ができなく、3輪になって初めてわかること。そしてそれが転倒につながる。
「3輪での歩道は、MTBでトレイルランしているつもりでなくはならない」これは断言できる。

そして、止まることに関しては、今回の機体はすべてレバーブレーキであり、握力や関節に問題があると制御自体に問題があることとなる。
ブレーキも、バンドブレーキ、ローラーブレーキ(シマノ)、キャリパーブレーキであり、手の不具合を考慮するとその他の構造を取り入れても良いのではないかと思った。

どうせ遅く走るのだろうからそんな大層なものはいらない、ということなのだろうか?
でも、それは逆だと考える。最近は介護用車いすでさえディスクブレーキが出てきたことがその現れではないだろうか。> カワムラサイクルのページ

それから、コースターブレーキ。自分のミニハンドバイクしかコースターブレーキの機体がなく、うまくその説明ができなかった。
シマノの製品群としてヨーロッパであればインター3でもコースターブレーキがある。

この差は?と考えると・・・なぜか冒頭のコケたことにつながった。
むむ、ひょっとしたら天からのお告げだったのか。

体がその操作に慣れていて、無意識に体が対応できるか。

レバーが圧倒的なのは、視覚情報と手の感覚が直結されて神経への信号の行き来が素早いのだろう。
一方、例えばコースターブレーキのように日本人には馴染みがなく、慣れていない物の操作は、頭で考えて操作している分、苦手で避けてしまっているのだろう。

ただし、その引き換えに受ける恩恵は大きい。
もっともハンドバイクの場合は握ることができなくてもブレーキ操作ができる。これは高齢者向け自転車も同じ。さらに体重の重力を使って力が入れられるのだから、子供にだって良い訳で、そこに必要なのは訓練だろう。

色ペンを選ぶようにレバーかコースターかではなく、ボールペンを使うようにレバーを使うのならば、毛筆を習うのかのようにコースターを習えばその恩恵を受けることができる。

そして上記の3点(走り出し、曲がり、止まる)を考えると、3輪を歩道上で使うということは基本的に速度が遅いほうがより安全である。
遅いと言うと聞こえが悪いが、言い換えれば、歩くこと、さらに欲を出してかけっこの置き換えくらいがちょうどいい。

ならば、このことを前提とした車種・道路があれば、それが仕組みとなる。
これが本来の歩行補助車なのではないか。と勝手に想像する。
そして、それでも体力が追いつかない場合に電動が出動すれば良い。

そして、車いす側がその置き換えにミニハンドバイクを使う、と。
これが、車いす補助車の利用方法の一つ、歩行補助車と同化する部分なのである。

車いす補助車の利用方法のもう一つ、それは自転車の置き換えであり、その象徴としてNJ1(これは一体型だが)を置いたわけである。

我田引水。

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2012年01月22日

3輪車の科学・車いす補助車としての取付型ハンドバイク 5

5  >おわりに<

元々この考えにたどり着いたのは、諸外国ではフル電動での取付型ハンドバイクが存在しているが、日本国内においては同種の装置が製造されてはいるものの、法律により公道での使用ができず、その解決方法を探っていた。

その行く手を阻む法律を理解し、ママチャリに代表される自転車の悪く言われてしまう点を整理すると、車いすによる弱点と不満に思うことが重なり合うことに気がついた。

ならばと逆手に取り、歩道を通行する方法についての提案をまとめた。すると、現在は空白部分となっている取付型ハンドバイクに関する規則もつながり、この二つをどう利用しやすくできるかを考え、提案した。あとはその活用を促したい。

平成23年10月に発表された警察庁の通達に始まる自転車を巡る話題により、車道の使い方の検討がはじまり、ちょうど私自身が海外で体験してきたバイクレーンが日本でも現実のものとなるのかと期待を寄せるところではあるが、日本においてはそこからなぜか専用道へと一足飛びに考えが移ってしまうのが不思議でたまらない。

歩道にしろ車道にしろ道路を活用するためにルールや経験を積むことは有益なことであり、道路を積極的に利用する方法として、歩行補助としてのハンドバイクがあれば、幼少もしくは高齢であったり、受症してからすぐの治療ではなく社会的応力を積むためのリハビリとしても身近に利用ができる。

釣りの世界でいう”ふなに始まりふなに終わる”である。

さらに固定型ハンドバイクの存在により、活気のあるリクリエーションや勝負の世界でのレースとして上位の使い方を目指すきっかけにもなり、健常者も含めレースの世界を活発にすることもできよう。

クランクを回し、その運動を利用することは人間だけの特権であり、それを存分に利用しようとするのはごく自然な欲求といえる。



ここまで考え方をまとめる事ができたのも、自転車を中心として出会った様々な人たちと出会えたからである。今までもそしてこれからも感謝の気持ちで一杯である。

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3輪車の科学・車いす補助車としての取付型ハンドバイク 4

3輪車の科学・車いす補助車としての取付型ハンドバイク 4



4  >取付型ハンドバイクの今後の課題<

これまでの内容により、ハンドバイクを単に自転車の扱いとして限定的な使用法に規定するのではなく、あくまで手の力を推進力に変換して歩行の補助として利用できることを述べてきた。

では、歩行補助として利用する場合の今後の展開をあげると以下となる。



「歩行補助車のインフラ」

このように取付型ハンドバイクを歩行補助車として含めることができると、現在ある歩行補助車の別名ハンドル型電動車いすとして整備されている施設を利用でき、鉄道各社が用意しているハンドル型電動車いすの対応状況をそのまま流用することができ、今後もそのバリアフリーの取り組みを利用者側からも後押しすることができる。

ただし、現行の歩行補助車の規定では全長が120cmとなっているため、取付型ハンドバイクのタイヤの基準を12インチとすると、全長で10〜15cmはみ出すようになる可能性がある。
それであっても多くのエレベータは余剰範囲があり、12インチタイヤであっても直線的に乗り込めることはサンプルが少なくても実証できたので、今後この歩行補助車としての扱いが実現できる時には法規を変更してもらえると嬉しい。



「取付型ハンドバイクの活用」

また、取付型ハンドバイクが自転車や歩行補助車として広く一般的になった場合に、どのような問題が起こりえるかを予想する。

○駐輪(車)
現在整備されている駐輪場は”健常者”が”普通自転車”を利用することを想定して設計されている施設がほとんどで、地下や上階に施設があり、階段のため歩行困難者では利用ができない場合や、前後輪の構造でラックに入らないと利用できない場合がある。

これは取付型ハンドバイクに限った設定ではないが、駐輪場に3輪の場所を設けられるようにすることや、乗用車でも駐車禁止除外の規定があるように、ハンドバイクや3輪自転車でも同様に駐車禁止を除外できる仕組みがあると利用しやすくなる。

○通行方法
今後歩道上の自転車通行が一方通行化されることが見込まれており、その場合、ハンドバイクはどのように振る舞うべきか。
矛盾した意見となるが、すべてのハンドバイクは自転車と同じルールで通行する方法が一つある。
もう一つは、自転車としてのハンドバイクは一方通行とされ、歩行者としてのハンドバイクは制限されず、通行帯も歩行者と同じとなる方法も考えられるが、幅員により曖昧となってしまう可能性がある。

○盗難
フレーム番号、製造番号によるシリアルナンバーにより、自転車と同じ防犯登録。
形状、利用方法が一般化するまでは理解されにくく、玩具のような認識をされてしまうことも考えられる。



以上懸案事項をあげたが、固定型にしろ取付型にしろ、今まで交通手段として無かったハンドバイクが移動手段として認知されてくると、普通自転車だけ、手動車いすだけで街を考えるとその枠に当てはまらなくなる。

車道に繰り出し、一見邪魔な存在になると考える向きもあるが、それであっても道路をどう共有するか、また、お互いに注意し合うことによって必然的に事故を防ぐことができるのであれば、それは邪魔な存在なのではなく、逆に、安全のためのペースメーカ的存在になりうる。

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3輪車の科学・車いす補助車としての取付型ハンドバイク 3

3輪車の科学・車いす補助車としての取付型ハンドバイク 3

3  >自転車として、歩行者として<



「自転車としての取付型ハンドバイク」

あらためて、取付型ハンドバイクはどこに区分されるか。
前述の通りクランクを使っているため車両(自転車)に区分されるようで、車いすを使っているため歩行者にも含まれるようにも見ることができる。

次にそもそも福祉機器とは何かについて考えたい。
福祉機器とは、健常者の暮らす社会において健常者と同様の生活を送るために、身体に支障がある部分を補助し快適さを得るための器具ということができる。健常者の運動機能を補助することに注目すると、その運動機能を置き換えるためにレバー、車輪、変速機、原動機などを使う。

そこで取付型ハンドバイクは福祉機器としてどのような運動機能を置き換えているかをみると、もちろんその名前の表すところの自転車としての役割の置き換えである。これはレース、リクリエーションで活躍しているので容易にわかる。

では、手動と原動機(電動・エンジン)を歩行者から車両への移動距離による順に並べてみると、
  手動(車いす)
    →電動(車いす)
      →電動(歩行補助車)
        →手動(取付型ハンドバイク)
          →電動(電動アシスト型ハンドバイク)
            →電動(乗用車)
              →エンジン(乗用車)
という並び方が考えられる。
このことにより、取付型ハンドバイクであっても自転車として扱うことに妥当性があるとみることができる。

歩道と車道



「歩行者としての取付型ハンドバイク」

今度は意見を反転して、取付型ハンドバイクは歩行者側であると主張する。

前節でも記した通り、福祉機器は運動機能の置き換えである。
また、冒頭(前号)で触れた通り、手動車いすでの移動はまだまだ不満が残り、移動手段として健常者の歩行と快適さの差が大きいように感じられる。その差を電動車いすにより解決するよりも、手動である取付型ハンドバイクにより解決できないのかとの思いが湧く。

歩道通行を前提とした使い方であれば、取付型ハンドバイクを乗る者は障がい者手帳を保有している者の方がほとんどで、取付型ハンドバイクも自転車として扱うのであれば道交法により歩道を通行することができる。

だが、歩道通行を性能面から見ると、普通自転車と同様に徐行運転が求められるものの、現行の取付型ハンドバイクは自転車としての機能を有しており、それなりに速度も出るような作りになっている。交通教育などがある上で自制心を強くもたないと、現在ママチャリが持つ逆走暴走などの問題を簡単に引き起こしてしまう問題点もある。

また、歩道の設計の面から見ると、歩道には設計上持つ構造の特徴である「波打ち歩道」と呼ばれることに起因する、スロープや横勾配が幾多にもあり、また道路構造令上、設計を命ぜられている植栽の根の成長などによ隆起の段差が至る所に存在する。この道を3輪でもある取付型ハンドバイクが通ることには転倒の危険が大きく、それも速度が上がるほどに危険の度合いも上がる。

ならば、歩道上は遅い方が安全であると言うことができる。

また一方、普通自転車であるところのママチャリが数多く歩道を通行しているが、各所において「ママチャリは歩道上を遅く走るために産まれた日本独自の規格である」とよくいわれる。
最近では6段以上の変速機がついている機種や、電動アシストの基準が上がったことも記憶に新しい。本来、徐行が求められ鵜歩道上でなぜ速さを求めて進化しようとしているのかは不思議と言える。

ここまで取り上げてきたことを並べると、
○福祉機器は健常な身体機能の置き換え
○既存の取付型ハンドバイクは速度が出てしまう
○反面、取付型ハンドバイクの歩道通行は速度を上げて通行すると危ない
○ママチャリは遅く走るための車両として産まれた
となる。

これらの事項をまとめ、一考すると「速度の遅い取付型ハンドバイク」ならば歩道上を移動する道具として成り立つのではないか、との考えに落ち着く。

「遅い取付型ハンドバイクとは」、電動との比較で人力であり、歩行者の区分に入るため歩行補助車であると考えられる。
すなわち、手動歩行補助車ということができる。

そこで今度は、仮に「遅い取付型ハンドバイク(手動歩行補助車)」がある場合、交通のどの部分の置き換えとなるのかを見てみる。


再び前段の、手動と原動機(電動・エンジン)を並べたものみると、
  手動(車いす)       …1
    →電動(車いす)    …2
      →電動(歩行補助車)…3
手動の方が電動より貝であるとするならば、1と2の間に手動歩行補助車を設けることができるのではないかと考えることができる。

その結果、下記のようになる。
  手動(車いす)         …1
    →手動(歩行補助車)    …2
      →電動(車いす)    …3
        →電動(歩行補助車)…4
上記を言葉により表現すると、歩行補助車及び車いすは歩行の置き換えをし、手動は電動の置き換えをしているといえる。

そこで、電動車いす及び歩行補助車の条文をみると、
歩行補助車 道路交通法 第2条第1項第9号
道路交通法施行令 第1条
道路交通法施行規則 第1条 及び 第1条の4

【参考】
公益財団法人 日本交通管理技術協会 型式認定の基準
http://www.tmt.or.jp/examination/index2.html

電動車いす安全普及協会 電動車いすの規格
http://www.den-ankyo.org/society/standard.html

とあり、歩道を通行することに具体的な制約を設けていることがわかる。

上記の規格になぞり歩行補助車としての以下の構造としての要件を列挙すると下記となる。
○速度が出ないような構造
○改造しにくいような構造
○突起物が出ない構造


そこで、新たに区分を設ける。
この区分を設ける目的は、一定の基準を作ることにより取付型ハンドバイクとしては自転車と同種の構造のものであっても、利用する場面を自転車と歩行者とに区分する仕組みにすることである。

名称は「車いす補助車」とする。以下、具体的な要件を並べる。



「自転車としての取付型ハンドバイクの区分」

使用者が自転車と同様に速度を出すことを目的に、既存の取付型ハンドバイクについては”車いす補助車”となり、普通自転車と同じに、構造、保安部品、通行方法、違反など法規を遵守しなければならなく、さらに次の条件を満たさなければならなくなる。

○ブレーキの二重化
これは普通自転車が保安部品として道路運送車両法により、前後のブレーキを求められていることに沿って、故障等の補助機能として、たとえ1輪であっても2系統のブレーキを備えることを明確化する。

○ヘルメットの着用
現行の普通自転車でも小児に関してはヘルメットの着用を課しているように、車いす使用者も転倒の危険は大きいため、ヘルメットの着用は最大の予防となる。
そして、普通自転車より先に立ちヘルメット着用をしていることにより、模範的な存在となり、社会貢献も果たすことができる。

○車道走行
速度を上げて通行する以上、自転車と同様に車道通行を求める。
ただし、これは結果的に段差などでの転倒を防ぐ効果化があり、結果的に事故の予防となる。

また、道路交通法により身体障がい者が使用する場合は歩道を通行することも認められるが、あくまでも自転車としての扱いであることは変わらない。

しかし、以下に挙げる要件により歩行者としての取付型ハンドバイクの区分を設ける。




「歩行者としての取付型ハンドバイクの区分」

上記自転車としての区分の例外として、歩行者としての取付型ハンドバイクの区分を設定する。

まずは、構造上の区分。
一定の基準を備えた装置は既存の「歩行補助車」と同列とし、歩行者に属するようにする。
この一定の基準とは、速度の制限、構造の制限を設ける。


○ブレーキの二重化
上記、自転車としてのハンドバイクと同様に故障等の補助機能とする。


○速度の制限
電動車いすの基準を元にして、6km/hを基準として上限を9km/hまでとする。

これは、動力が人力であることと、低速の範囲であるため、この程度の誤差範囲を見込む必要があると考えられる。
この速度も個人差が大きいため、モーターとは違い、回し方によって速度に違いが出てしまうため、その余剰分を設ける。

また私見ではあるが、両手をそろえて回す格好が多い取付型ハンドバイクとしては、呼吸と腕の回転数(ケイデンス)をあわせるのが一番効率がいいと考えられ、速度の基準としては回転数を平均的な心拍数として65rpmにあわせ、その回転数の中で制限速度までになるような構造を設計し、それを諸元とするように制作側へ責任を課す。


○構造上の制限。
タイヤは12インチ以下とする。

これは、電動車いすの基準を参考にすると、見た目で歩行補助車であるとわかることが必要だと考えられ、一方、部品の購入やパンク修理などのメンテナンスが行いやすく、幼児車などで一般に出回っているものの中で最小のものとするために12インチとする。
もちろん12インチ以下であれば独自のサイズでかまわないので、既存の福祉車両用タイヤを付けられ、そのことにより国内製造業者も参入しやすくなる。


○反射器材の取付
自転車と同様、後部には後方から確認できる位置に反射器材を取り付ける。また、色に関しては公安細則の自転車に関する基準に準ずる。
前部にも前方から確認できる位置に反射器材を取り付けることとし、色を白とする。


○駆動方式の制限
駆動伝達はチェーン駆動以外とする。

これは、現法の歩行補助車の規定にある「改造しにくい構造」の基準に沿うようにするためであり、チェーン駆動では変速に関しての改造部品が多く出回っていることがあり、既存の方法であればベルトドライブであれば一般的に交換部品は少なく改造は施しにくくなる。
ほかにも今後の発展としてシャフトドライブという方法も考えられ、これもベルトと同様に交換しにくい構造になるものと考えられる。

また、チェーンを使用しないことにより汚れが移ることを防ぐことができるため、電車などの公共交通機関での移動、居住空間への移動も行え、生活に寄り添った使い方をすることができる。

また、折りたたみの機構があれば、ベルトを取り外し単に前輪としてだけの構造に変更したり、車への積み込みなど、より多様な使い方をすることができる。

NEC_0504



以上の構造により、車いす補助車は歩行補助として判断することができ、現行の道路交通法に当てはめることができる。

また、固定型ハンドバイクであっても、以上の要件を具備することにより歩行補助車として含まれる規定も設ける。

ハンドバイクの要件




そしてこれらが型式認定を受けられれば、保険の適用もされやすくなり、さらに社会的に認知されることとなる。

【参考】
原動機を用いる歩行補助車等の型式認定の手続等に関する規則
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H04/H04F30301000019.html



以上、歩道と車道を通行することに関して述べた。
次章より車いす補助車の仕組みができた場合に起こりうる問題点を考える。

tetchin01 at 16:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

3輪車の科学・車いす補助車としての取付型ハンドバイク 2

3輪車の科学・車いす補助車としての取付型ハンドバイク 2

2  >課題の紹介と問題提起<


「ハンドバイクとは」

まず、ハンドバイクとは、手でクランクを回し、自転車と同様に推進力を得て進む装置で、ハンドバイクやハンドサイクルと呼ばれる。(以下まとめて、ハンドバイク)

法律から見ると、道路交通法2条により、軽車両中の自転車である。

また、ハンドバイクなのかでも車いす前部に取り付けることによりハンドバイクの機能を実現できる装置として、アダプタ式ハンドバイクと呼ばれる装置もある。ただし、このアダプタ式ハンドバイクはそれ単体では1輪の構造であるため、前述の道路交通法にはあてはまらない。

構造から見ると、欧米ではレースなどで一般的な構造である固定型ハンドバイク(レース用、リジッドなど)と、この研究で取り上げている取付型ハンドバイク(アダプタ式など)があり、これらは走行性能・活用方法により利用目的が変わってくる。

固定型ハンドバイクの場合、一般的に走行性能を第一に考慮しているため、寝そべる格好での乗車が多く、そのため全長が長いため、リクリエーション・レースで走ることを目的にした使い方になる。

一方、取付型ハンドバイクの場合、その名の通り日常生活に使われる車いすに取り付けられ、手動車いす移動と自転車のように走ることを目的とした使い方を切り替えることができる。ただしその走行性能は固定型ハンドバイクより劣る。

特にこの取付型ハンドバイクは、とかく移動が不利とされる車いす生活者の自力移動をより広範囲にすることができる装置である。

そこで、この取付型ハンドバイクについてをまとめ、その利用の仕方を探る。



「ハンドバイクによる効果」

車いすでの移動では不満に感じ、反面ハンドバイクを使うことにより解決できる事柄をあげると、次のようになる。
1)歩道交差点部に於ける2cmの段差、荒い路面状況
2)横勾配により進む方向が定まらない
3)上り坂では疲労して休み休みになり、下り坂ではブレーキしづらい
4)手が汚れる、寒さでかじかむ、熱でやけどする
以下でその詳細を記す。


1)歩道交差点部に於ける2cmの段差、荒い路面状況

新しく整備される歩道の交差点部には必ず2cmの段差ができあがる。これは視覚障害のためのバリアフリーの対応であり、共生していく必要がある。車いす使用者側は支障に感じることもあり、現に国土交通省のウエブページにはそのことの資料も出ている。
歩道の縁端構造の検討方針(案)について : http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/design/1pdf/s1.pdf)

また、先日、国土交通省と警察庁との委員会の傍聴ができ、そこで渡された資料に2cmの段差の記述をみた。
(P5、(参考)車道と歩道の間の縁石の規定 : http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/cyclists/pdf2/3-2.pdf)

そもそもこの傍聴はハンドバイクを活用できる機会があるのかを確かめたかったのだが、この2cmの段差をバリアフリーの一環として活用しようとするのであれば、車いす使用者としてその対処を考えるのは必須。それができれば、逆に世界に胸を張って白杖の方に日本を紹介できるのであろう。

それでも、一般的な手動車いすで通行しようとしたとき、
場所を確かめ、高さを確かめ、角度を確認し、タイミングを計り、力加減を考え、人の流れを見極めつつ、歩道へと乗り越える。
これだけの動作を交差点ごとに行わなくてはならず、さしずめハードルレースのように感じることもある。
その証に、電動車いすの車輪は4輪とも大きく、高齢者用の手動車いすも最近はクッションの利いた太いキャスターの構造である。また、駅前や主要な施設の前では一部分だけ段差を無くしたりと、特別に何かしらこの歩道の段差を無くす工夫がされている場合もあり、最近のベビーカーもバギー型でタイヤが大きいのもその現れと推測する。

そこで取付型ハンドバイクを手動車いすで移動すると、この段差を気にすることも無く、路面を常に注視することも無く前に進むことができ、精神的にも視野も解放されることとなる。


2)横勾配により進む方向が定まらない

一般的な車いすは前輪を水平に360度回転するキャスターを備えていて、これにより室内においても細かな移動を可能になる。しかし、屋外においては地面が水平であることが少なく、道路においては水はけのためにさまざまな勾配が付けられている。なお縦の場合は坂のこととなる。

横勾配の場合は重力により勾配の下へ向かって車いすが向かってしまい、それを補正するために反対に向かって車輪を漕がなくてはならなくなり、直線移動するには無駄な動きが必要となる。

そこで取付型ハンドバイクで移動すると、グリップを手で保持していれば横勾配を気にすること無く前進することができる。

また、多くの取付型ハンドバイクにおいては向きが大きく変わらないようにゴムなどで保持された構造(ステアリングダンパー)のものが多く、このことにより、1)と同様に移動することの制約が少なくなる。


3)上り坂では疲労して休み休みになり、下り坂ではブレーキしづらい

手動車いすを操縦する場合、ハンドリング(リム)を直接手で回転させることにより推進力を得られるが、タイヤの移動距離と手の移動距離がそのまま1:1に作用するため、力の入れ具合以外に可変しない。上り坂で負担が多く大変なことはこの可変度合いと力のバランスが取れなくなり、体力が少ない場合は疲労のために移動の途中で休まざるを得なくなる。

ハンドバイクがある場合は変速機(ギヤ)があるため、必要な力加減で漕ぎ続けることができる。たとえ平均した速度が遅くても進み続けることができる。手動車いすで移動するより長い距離、上り坂がある道のりも長い時間進み続けることができ、結果、移動距離も伸びることになる。

また、下り坂においても機械式のブレーキがあるので手の負担を小さく効率的に、確実に速度を抑制、停止することができる。また、ブレーキ機構も一般的なレバーによる動作以外にもクランクを逆回転することにより動作させるコースターブレーキという構造がある。この構造の場合、先のレバー構造を利用することが困難な指先の機能が低下している場合でも腕全体で操作することができ、より多くの障がいの状態に対応することができる。


4)手が汚れる、寒さでかじかむ、熱でやけどする

上記3)の理由と同様で、クランク及びグリップにより操作することにより、間接的なタイヤの操作となるので手の負担は小さく、また手袋を使用しても確実に操作を行うことができる。手動車いすで直接手を使う場合に手袋をしている場合、直接手で握って操作するよりもグリップ力が低いために危険な場合があり、屋外で使用するハンドバイクは天候による影響を多く受け、操作不能による危険を避けることができる。

もっと一般的には、泥などに触れることがなくなり、手を汚すことがなくなる。


以上のように取付型ハンドバイクにより得る恩恵は多く、必要に応じて手動車いすの動作にすることもできるため、多様な行動をすることが可能になる。


以上、手動車いすが受ける影響を取付型ハンドバイクが解決できることを見てきた。
しかし一方、前章で取り上げ通りに取付型ハンドバイクは、自転車としての使い方と、車いすとして歩行者の使い方との2つの側面を持つこととなる。

そのままの運用では、この二つの側面が明確でない。
○運行する場合の法律の問題
○事故などの場合の法律の問題
が残ったままとなり、たとえ便利な装置であるとしてもその運用に混乱を生じてしまうこととなる。


そこで、次章では現行の法律からそれぞれの福祉車両が持つ特性を整理し、取付型ハンドバイクがどのように活用できるかを考える。


tetchin01 at 16:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)